イベントレポートVol2
 「移植医療」といえば医師や看護師、移植コーディネーターなど
直接医療行為に携わるスタッフに目を奪われがちですが、 それ以外にもたくさんの人がかかわり、協力する体制が必要です。
今回は、移植医療の最先端で働く医師を様々な面でサポートしている
北海道大学秘書の 加賀 香  かが かおり さんにお話をお聞きしてみました。


「今私がメインに行っているのは、北大医学部の第一外科の教授である藤堂省先生の秘書としての仕事です。スケジュールの管理、必要な文書や資料の作成、外部の関係機関とのコンタクトなどの他、学会やセミナーなどの催しが頻繁にあるので、その際は受付など会が円滑に進むためのお手伝いもしています。
また、テレビ局などからの出演依頼の際は窓口として打ち合わせをすることもあります。いずれにしても、医局の仕事が円滑に進むようにバックアップをする仕事ですね。」

なかなか表舞台に立つことのない医学部の秘書という仕事をわかりやすくご説明くださったのは、北海道大学の大学院医学研究科で秘書を務める加賀香さん。
加賀さんにはご自身と移植医療についての関わりについてもうかがいました。


「ご存知の通り、藤堂教授は臓器移植の分野ではわが国を代表する方です。第一外科の教授と兼任で臓器移植医療部の部長でもあります。そのため外部からの連絡やお客様なども臓器移植関係が多く、自然と臓器移植については興味を持つようになりました。また、先生が副理事長を務める北海道移植医療推進協議会の関連の業務もお手伝いをしています。
この夏は、札幌市の「四番街祭り」の際に、ボランティアとして市民の皆さんに「臓器移植意思表示カード」や資料を配布する啓発活動にも参加しました。」





日本の移植医療普及のために常に第一線に立ってリードしてきたのが藤堂教授。加賀さんには先生の素顔もお聞きすることができました。

「一言でいうと「真直ぐ」な方です。学生時代にラグビーをやっていたそうですので、ゴールに向けて、困難に立ち向かい走り抜ける・・・そんなイメージだと思います。先生がアメリカから北海道大学にこられて12年が経ちますが、一貫して「北海道を移植医療の先進地へ」という目標を追いかけてこられた訳です。道内の病院のネットワーク作り、意思表示カードの配布、院内コーディネーターの養成、若い医師の育成など一からのスタートで苦労されたと思いますが、その情熱は今でも全く衰えていません。私たち女性スタッフには とても優しいですが、研究や指導はとても厳しくて、時にはピリピリした雰囲気を感じることもあります。それからとっても早起きで、いつも医局には一番に出ていますね。体も大きいので、私にとっては「包容力のあるお父さん…」というのが一番ぴったりかも知れません。」


最後に加賀さんはご自身の移植医療への思いをこのように語ってくださいました。

「私は医療の現場にいる訳ではないのですが、ドクターと接する機会は多いので手術の結果元気になって学校にいけるようになったお子さんとか、仕事に復帰した方などの話を聞く機会があります。もし臓器移植という医療が確立していなければ、命を落とされることになっていた方もたくさんいます。そんな現実を見ていますので、医療としての移植が今後も発展して欲しいとは常日頃考えています。
最近では北海道移植医療推進協議会のメンバーと仕事をご一緒する機会を得て、移植医療の推進に多くの分野の人たちがかかわっていることが分かりました。そこから言えることは、移植医療の啓蒙や普及は、医療関係者だけでは一方通行になりがちで、患者さんや市民の皆さんと共に歩んで行くことが、とても大事なことだということ。これからは、みんなで移植について学ぶきっかけが増えると良いですね。海外を見てみると、子供の頃から「命の大切さ=臓器移植について」を学ぶ授業があったりするので、日本でも小さい頃から学ぶ機会を作るべきではないでしょうか、例えば学校の授業とか。その積み重ねが移植医療の発展や理解に繋がるのではないかと思います。」
【加賀 香さんプロフィール】
北海道大学大学院医学研究科
外科学講座 消化器外科・一般外科学分野
秘書  加賀 香