イベントレポートVol2
 新しい臓器移植法の施行に向け、さらに重要度を増す移植コーディネーター。
今回は社団法人 日本臓器移植ネットワーク東日本支部で主席コーディネーターを務める大宮かおりさんにお話をうかがい、ネットワークの活動と大宮さんご自身の移植医療に対する思いをお聞きしました。

「日本臓器移植ネットワークの活動は大きく分けて3つの柱があります。一つ目はできるだけ多くの方に情報を提供して、移植医療について考えてもらうことを目的にした"普及啓発"。具体的には健康や医療に関わるイベントにブースを出展したり意思表示カードの配布などを行っています。また医師や看護師といった医療スタッフ向けの勉強会・講演会なども積極的に開催。私自身も講師としてお話しさせていただくこともあります。 
 二つ目の活動は"移植希望登録〞です。移植を受けたいという患者の方のデータを登録し、管理を行っています。現在、腎臓の提供を待つ方が1万2000人、心臓や肺もそれぞれ数百人の登録があります。
 そして三つ目が"斡旋〞。本人や家族の臓器提供意思を移植を待つ方へ橋渡しする業務で、私たちの最も重要な活動といえると思います。」

 新しい臓器移植法案が国会で採択され、社会的に注目を集め、今後はさらに重要度を増すといわれる移植医療の現場で活躍する大宮さん。移植コーディネーターを務める上で心がけていることをお話いただきました。「私たちが最も心がけているのは、ドナー(臓器を提供する人)とそのご家族の思いを大切にすること。臓器提供はご家族の同意が不可決です。そのため提供についてくわしくお話ししご理解をいただき、ご家族全員が納得できる答えを出すためのお手伝いをします。また、いわゆる"みとり〞の時間を大切にする環境づくりも大切です。この先、ご家族自身で一歩を踏み出すためにもご本人と向き合う時間が必要であり、とても大切なことだと思います。そのために、より良い最期を迎えられるよう医療スタッフと協働して支援します。これは今後新しい法律が施行されても変ることはないと思います。」

社団法人 日本臓器移植ネットワーク
東日本支部 主席コーディネーター
大宮かおりさん


 このように"心〞の部分を大切にしながら活動を続ける大宮さん。最後にご自身のこれからの取り組みについてお話いただきました。「以前、看護師として務めていた病院で、10代の女の子がお父さんから生体肝移植を受けることになり、それに関わったのが移植に関心を持ったきっかけでした。手術は他院で行われたのですが、彼女をサポートするためにたくさんのスタッフが協力して動いている姿に感動を覚えました。その時の思いが、今の私のスタートになってます。そしてこれからも多くの人に移植医療の意義を広め、ドナーとその家族、そしてレシピエント(移植者)のそれぞれの意思を理解し合える社会になるよう携わっていきたいです。」移植コーディネーターとして大切にしているもの、それは“心”です。新しい臓器移植法の施行に向け、さらに重要度を増す移植コーディネーター。今回は社団法人 本臓器移植ネットワーク東日本支部で主席コーディネーターを務める大宮かおりさんにお話をうかがい、ネットワークの活動と大宮さんご自身の移植医療に対する思いをお聞きしました。
大宮かおりさんプロフィール】

集中治療部で勤務していた頃、移植を必要とする患者さんと多く接し、また実際移植を受けて元気になった患者さんと関わり、移植の必要性や可能性を強く感じたことが移植医療に関心を持ったきっかけとなった。
現在は、日本臓器移植ネットワーク東日本支部(北海道・東北・関東甲信越地域)の 移植コーディネーターとして臓器提供のコーディネート業務に携わっている。