例年札幌で開催致されていた「北海道移植フォーラム」ですが、今年は当協議会の支部が新設されたこともあり旭川での開催が決定し、7月2日(土)に執り行われました。

快晴で初夏の陽気の旭川では、会場となった旭川市民文化会館の大会議室が200名を数える参加者でうめつくされました。前半のプログラムは基礎と臨床からそれぞれ5題ずつ学術発表が、続いて2題の特別講演にうつり、北海道大学移植外科学講座山下健一郎先生より『
副刺激遮断による免疫抑制 ~基礎研究から臨床応用まで~』と九州大学第一外科北田秀久先生より『
膵臓移植 ~生体移植を含めた当科の現状~』と題した発表がありました。
会の後半は、市民公開講座となり、「日本の移植医療は変わったのか?~現場から見た移植法改正後の1年~」と題してパネル・ディスカッションが行われました。司会は、本フォーラム世話人である古川博之教授(旭川医科大学 消化器病態外科学)。パネリストには、医師を代表して嶋村 剛先生(北海道大学 臓器移植医療部)、そして、移植医療に欠くことのできない移植コーディネータ6人を招いてのディスカッションとなりました。
各パネリストからは、移植医療の推進と患者さんの為に日夜奮闘している様々な取り組みが紹介され、まだまだ移植医療の普及が思うように進まない我が国の現状に苦慮している様子が伝わってきました。移植医療には移植外科医だけではなく、救急救命医や脳外科医、コメディカルをはじめ様々な人の協力・連携が必須となります。その中心となって活躍するのがコーディネータであり、まずは院内でその基盤を作りあげなくてはならないこと。又、昨今はインターネット等で様々な情報が手に入りそれは移植医療についても同様で、それに伴い誤った情報が多いのも事実です。そういった誤認を払拭し移植医療に対する正しい知識の普及が必要であるということ、そして一過性の関心事ではなく一般的な医療として認知されるべきであること。こういった多くの課題に真摯に取り組みながらも、患者さんや家族の気持ちを第一に考え努力を続けるパネリストの皆さんの熱意に、最後まで真剣に耳を傾ける市民の皆さんが沢山いらっしゃいました。
「今日の講演会のことをご家族みなさんであらためて話し合う機会をもって下さい」と最後に旭川医科大学の吉田学長が強くよびかけられましたが、こういった講演会が移植医療への正しい知識の普及活動の一助となれば、そして、移植医療の推進によってたくさんの患者さんが救われる機会が増えればと主催者一同認識を新たにした一日でした。