平成22年11月20日(土)前橋市の群馬会館にて臓器移植市民公開講座が開催されました。NPO法人ハートtoハートが主催のこの会には当協議会から北海道大学の藤堂 省教授と旭川医科大学の古川博之教授が招かれ北海道での臓器移植啓蒙活動について講演を行いました。
会場には心臓移植を受けた方々も来場されておりましたが、一般の方と変わらないその元気な様子に驚かされました。その中の1人、23歳の時に『拡張型心筋症』を発病した男性の方は移植の為ドイツに渡航し、2年もの間ドナーを待ち続けたそうです。その間の苦労や、自分が移植を受ける為に募金を頂くことに対しての葛藤などについて語られました。「ヒルシュスプルング病類縁疾患」と診断され渡米し、多臓器移植手術を受けた各務宗太郎君のお母さんの優子さんは、せめて最期の時を日本で迎えさせてあげたかったとおっしゃっていました。平成20年、まだ日本では15歳未満の移植が認められていない為、8歳の宗太郎君は渡米し移植を受け、一時は回復したものの9年という短い生涯を終えました。消化管が正常に機能しないため、食べ物を口にすることができないという辛い病気ですが、小さい宗太郎君は常に「生きたい」という気持ちが強く最後まで本当に頑張っていたそうです。歌手のさだまさしさんと主催者である心臓移植の権威 南 和友先生との「いのちの大切さ」についての座談会では、人間は死に直面した時に普通の状態よりも強く「生きたい」という気持ちが湧いてくるものですというさださんの言葉に優子さんは、「宗太郎を見ていて本当にそうだと思いました」と答えていました。そのさださんは、命や家族をテーマにした名曲を歌われ、会場にきていた皆さんの感動をよんでいました。
臓器移植によってこんなにも元気になる、普通のことが普通にできるようになることがこんなに幸せですと語る経験者の話しから多くの来場者の方が命について、移植医療についてあらためて考えるきっかけとなる会であったと思います。「助かる命を助けられる国に」。日本での臓器移植の普及の必要性をあらためて感じました。

会場に集まった多くの皆さん

講演する古川教授・藤堂教授

さだまさしさん・南教授・各務さんの
座談会の様子

心臓移植を受けた女性が体験談を綴った歌を熱唱する秦先生(日大心臓血管外科医師)