当ホームページでも開催告知を行っていた「第13回北海道移植フォーラム」が6月27日(土)、北海道大学 学術交流会館 大講堂(札幌市北区北8条西5丁目)にて開催されました。
フォーラムは12:00より始まり移植医療に関する学術発表が行われ、15:30より一般公開となるパネルディスカッションがスタート。
コーディネーターを務める古川博之先生(北海道大学 置換外科・再生医学)から北海道内の移植医療の現状報告と、海外との比較でも大幅に遅れている移植数の推移などについての解説が行われた後に、4人のパネリストより発表が行われました。
最初に、南和友先生(日本大学 心臓血管外科)からはドイツでの経験からヨーロッパをはじめ海外へ移植を受けに渡航する日本人を、現地の人がどう見ているのかについてお話しくださいました。そして「一人の日本人が海外で移植を受けて助かっているその裏側で、一人の現地の人が臓器移植が受けられなくなっていることを知ってほしい」と訴えました。
次に岩城裕一先生(南カリフォルニア大学 外科)からはアメリカの臓器移植がほとんど脳死移植であること、そしてドナーにも負担を強いる生体移植が現地では避けられている現状を報告。生体移植が主流として行われ、脳死の是非が論議となる日本の状況との違いをわかりやすくお話しくださいました。
また松田和子先生(南カリフォルニア大学 移植免疫研究所)からはアメリカで小児医療を担当されていた時に経験された事例をもとにドナーとレシピエントの心のケアの大切さをお話いただきました。またアメリカで同僚の医師から「日本は医療の技術も免疫抑制剤などの医薬品の分野でも先進国なのに、なぜアメリカに移植を受けに来なければいけないのか?」という質問を受けたエピソードも考えさせられる内容でした。
最後には鹿野恒先生(札幌市立病院 救急救命センター)から救急医療の現場での脳死に対する考え方に関するお話があり、また北海道の人が予想よりも臓器移植に関心を持っており、医療スタッフの働きかけにより臓器提供を前向きに検討してくれる患者家族が多いことなど、現場でしかわからない実情を聞くことができました。
当日会場には道内の各メディアも多数取材に訪れ、移植医療への関心の高さを物語っていました。またフォーラム後に別会場で開催された記者会見でも臓器移植法案に関することなどについて、記者団より多くの質問が寄せられていました。